Chapter 1:追憶の記録
きっとまた、いつか、そういうデートの出来る日がくると、信じています。
彼女の笑顔が増えてきた。 「愛してる」って、言ってくれるようになった。 「幸せ」って、言ってくれるようになった。 何かこう、高尚で手に入れにくくて、なんて事はなくて、身近なものが幸福に繋がってるんだなぁって思う。 今の職場は苦痛でしかないけど…
最近、ちょっと仕事が手慣れてきて、楽しく熟せるようになった。 前までは、「ステーキ屋なんて興味ねえしな」と思ってて、配属された店舗が、苦痛でしかなかった。でも、肉をお持ち帰りして彼女に振る舞うとか、そういう待ち詫びる事柄を作ってモチベーショ…
異動先の店舗には、ハラスメントのキツい人達が沢山いるので、どうも居心地が悪い。 仕事自体はそれほど難しくないし、飲食業は向いてると思ってるから、この会社には残る予定だ。他社に比べて待遇良いし。 ただ、やっぱり、どんなに強がってたって、辛くな…
前髪が、目に入るくらい長くて鬱陶しかったので、切ってもらいました。それが11月30日の話です。 12月1日、出勤したら、パートのおばちゃんに「BTSみたい」と言われたのがちょっと嬉しかったです。Vの髪型を真似したので。 ですが、早退させられました。 今…
最近は、ステーキを家で焼く。彼女はお肉が大好きなのに、このごろ食べさせてあげれてないから、せめてもの償い。 三筋やサーロイン、リブロース。彼女はめんどくさがり屋なので、サイコロステーキにして提供する。 久しぶりのステーキに舌鼓を打つ彼女の姿…
東京での研修を終え、三重県へ引っ越す事になりました。 正直、『ステーキの焼き方を覚える』という主目的は果たせなかった為、中途半端に終わっています。 ホントは、それを達成するまで無期限での研修だったはずなのに、途中で会社が倒産した為、約1ヶ月で…
スティーブ・ジョブズが「connecting the dots」という格言を残していますが、これは捻って考えてみると、点を沢山作る事が、次に繋がるという事です。 俺は最近ステーキの勉強をしています。 肉の掃除すら上手く出来ないし、肉磨きの事もよくわかっていない…
彼女が秋葉原にあるガチャガチャショップで遊びたいと言うので、行って参りました。 家電量販店やメイド喫茶の多さに、正に秋葉原といった雰囲気を楽しみました。 それから街をブラブラして、ゲーセンなどで鬼滅の刃の戦利品をいくつか手に入れ、思い出の品…
彼女が朝に突然、「よみうりランドで仮面ライダーショーがあるよ」と言ってきたのです。そりゃ、行くしかないじゃないですか。 という事で、急いで家を出ました。 お互い、言ってはいませんでしたが、「ここで遊んでみたいな」とは思っていたのです。 人生初…
お題「ささやかな幸せ」
一昨日、会社が倒産しました。そして今日、その件について、俺、社長、本部の三者面談がありました。 結果、契約社員としてですが、社長の経営する別会社に残してやる、と言われたのです。社内じゃ唯一、移籍という選択肢を与えられました。 現在、東京で研…
今週のお題「急に寒いやん」
たまに、ふと、「彼女はなんで、俺みたいな奴と一緒にいるんだろう?」と思う時がある。 俺は、彼女が一緒に居てくれると幸せを感じるけど、彼女は俺なんかと一緒に居て、幸せなのかな。 自縄自縛の現状に四苦八苦してる。 ホントはもっと東京を満喫するよう…
彼女は、赤ちゃんを産むか否かで悩んでいた。 妊娠するまでは、「赤ちゃんは作らない」、「産まれても堕す」とか言っていた。俺は逆に、赤ちゃんが欲しいと思っていた。 だが、いざ妊娠を確認すると、彼女は「産みたい」、「育てたい」と言いだすようになっ…
最近、彼女が普段以上にイライラしている。すぐ感情的になる人ではあったけど、妊婦になってからというもの、ヒステリックになる事が多い。 それに疲れていないかと言うと嘘になる。精神的に疲労している事は事実。 前まで、妊娠を確認するまでは、楽しくお…
東京に来たからには高い飯でも食うか、と思っていたんですが、彼女は「残るような物にお金使うべきだよ」と言いました。ごもっともです。 ということで、彼女が愛用するブランド、GUCCIへ行ってきました。 しかも、2軒ハシゴしました。 あんまり詳しくないん…
東京に来て、観光がてらブラブラしていたら、仮面ライダーレストランを発見❕ ここは何年も前から行きたいとは思っていたけど、東京へ引っ越す時に、ここの事は何も考えていませんでした。 だから、偶然立ち寄れたのは、正に運命と言えるでしょう。 店内は、…
仕事の関係で、現在配属されている店舗を離れる事になり、東京の新宿にやって参りました❕ 田舎者なんで駅で迷子になるし乗り換えは怖いし、人生初の満員電車を経験するしで、初日から四苦八苦しています。 東京って怖いですね。 とりあえずオシャレなタピオ…
もしかしたら子宮外妊娠の可能性もあったので、一先ず安心といったところ。 ただまだこれから順調に成長していってくれるかわからないので、不安要素は残ったまま。
今思い返せば、臭いに敏感になっていた。それに、彼女の体がいつも以上に熱かった。 1週間、生理がこなかった。検査薬を買いに行くように言ったのが昨日。 そして、今朝の6時過ぎ。 「赤ちゃんできた」 その一言で目を覚ました。10秒前後、言葉が出なかった…
2020年10月3日は、付き合って半年記念日。 彼女は以前、何気ない会話の中で、「船に乗った事が無い」と言っていた。自分も小学生以来乗っていない事を思い出し、この日は船を貸し切ると決めていた。 それと、「夜景を見るデートってロマンチック」とも言って…
俺が配属される店舗が3つに増え、それは会社からの信用が大きくなっている事を表しているから、嬉しい限りではあるんだけど、電車で片道2時間かけて通勤しているから、前よりも彼女と離れる時間が増えている。申し訳ないと思う。なのに、夜中まで、俺の帰り…
前職で勤務していた神社は、恋愛成就の神様。 彼女を連れて、お参りへ。 目的は、それだけじゃない。 仕事で地元へ帰る機会があったので、師匠の店に行った。 謝罪と感謝と、婚約者が出来た報告。 「成長したな」 初めて、師匠に褒められた。いつの間にか、…
今日は、一生の思い出に残る。 彼女が、何気ない会話の中で、「今まで花束貰った事ない」と言っていたのを、聞き逃さなかった。だから俺は、彼女へ花束を贈る、最初で最後の男になりたかった。 今日は、その為のデートである。 前に「回転寿司行きたいなぁ」…
8月13日。コロナ禍で幾多の花火大会が中止になる中、明治村の花火競演は開催されていたので、行ってきました。 と、その話の前に、昼間はステーキを食べに行ったんです。 彼女がお肉大好きっ子ちゃんなので、久しぶりに。 ご飯も大好きな女の子なので、美味…
8月12日、同棲初日を迎えました。 仕事終わり、彼女が家に荷物を持ってくる。それでも、なんか、まだ実感が湧きません。 夜ご飯を食べに、居酒屋へ。レッドブルカシスという、物珍しいものがあったので、それを注文。彼女はウーロン茶。 入店した時点で、ラ…
愛おしいさが、独占欲や支配欲みたいなものに変わって、それはすなわち執着で、俺のものであってほしくて、今までの男の事なんて忘れて、この俺がNo. 1になりたかった。 全ての思い出を上書きして、あるいは白紙に戻して、俺の記憶でいっぱいになってほしい…
8月7日は、彼女の誕生日。この日、彼女が離婚した。 夜、俺が風呂に浸かってる最中に、彼女が家に来た。あらかじめ、机の上にメッセージカードを置いておいた。誕生日を祝う。 上がってから、彼女の鞄にラブレターを忍ばせ、正式な付き合いが始まった。 略奪…