生きる。俺は血反吐を撒き散らしてでも、這いつくばって、生きてやる。これが、俺の人生だ。
家で1人の幼少期
このクソみたいな世の中で、機能不全家族に育った。父親は自殺した。母親が原因だ。5歳になる前に起きた出来事らしい。なぜ俺を置いて逃げたのか。なぜ俺を愛してくれなかったのか。怒りのぶつけどころは、もう居ない。
父親がいた頃でも、母親は育児を放棄して家に帰らず、どこかで遊び呆けていた。俺を目の前にして悲しそうな、何とも言えない父親の顔を、今でも忘れない。
父親が死に、幼い頃から親戚の家をたらい回しになっていた。「酷い親だ」と、みんな口々に言っていた。
小学1年生になると、家に放置された。朝起きると、現金が机の上に放置されている事もあるが、そうでない日もあり、そういった時は、ただただ空腹に耐え、眠りにつくしかない。
夜遅くに帰ってくる母親は、「今日は焼肉食べてきたんだー!」と言う。
「お腹空いたよぉ」と泣きつくが、無視して自室に入って行く。
給食。不味いと言う人もいるが、俺にとってはご馳走だった。よくおかわりした。牛乳なんてものも、俺にとっては物珍しかった。不登校の分まで、いつも飲んでいた。これが俺にとっての、贅沢だったのだ。
俺はその頃から、自殺願望を募らせていた。今思い返せば、具体的な理由は何だったんだろう?
わからない。ただただ、死にたかったのだ。生きていて、楽しくなかった。生きる意味や目的は、どこにあるのか。みんななんで楽しそうに生きてられるんだろうか。俺には、不思議でならなかった。
バイトしてた中学生
中学に入ると、給食は無くなる。みんな弁当を持ってくるが、俺の母親はそんなもの作らない。ちゃんと親にご飯を作ってもらえる同級生が、羨ましかった。俺は、『母親の味』を知らない。昼ご飯の時間に、1人本を読む。
俺はいじめられた。こんなんだから仕方ない。血管が弱くて体育の授業が受けれないんだけど、そういう弱い自分は見下されて、標的になった。
登校拒否になった。学校に行く意味が無い。「学生は勉強をするのが仕事だ」と教師が言った。なら、学生なんて、わざわざ学校に集まる必要が無い。
自分の興味関心ある事柄だけ、熱心に学ぶようになった。その頃の体験が、俺を作ってる。知識の偏りが凄い。
そんな話はさておき、中1の終わりぐらいからアルバイトを始めた。「なぜその若さで?」と思うかもしれない。事の顛末を話そう。
母親は、俺が登校拒否した事に苛立ちを隠せなかった。動こうとしない俺を、無理矢理車へ押し込もうとした。泣き叫んでもお構いなしだ。なぜ、そこまでして学校へ連れて行きたいのか。それはただ、世間体を気にしていただけに過ぎない。
家にいたら親に叩かれ、学校ではクラスメイトに殴られる。死にたくならない奴なんているのだろうか?
俺は、上記の性格から、生きる理由や目的について調べた。ニヒリズムがヒットした。そこから、ニヒリストのブログを読み漁るようになり、自分の性格を歪めていく。
独我論や仏教、哲学について学んだのも、この頃か。自動筆記の最中に、ワンネスに気付いた事もあった。
意味や価値なんて存在しない。それは各々が勝手に決めるものだ。なら、俺は学校に意味は無いと決めつけるし、行かない事を選択する。俺は、苦しい想いをしたくない。
親が強引に連れて行ったとしても、裏の出口から出て行き、適当に時間を潰した。その道中で学校に休むと電話した。
そんな生活を続けていると、不審に思ったクソ教師が母親に連絡。不登校がバレる。なぜか三者面談。学校に来いと言うが、「なぜ?」としか思わない。俺は教師に目合わせず、喋る事もなかった。言っても無駄でしかないだろう?
母親は、俺の事を友達に話した。土産物屋の社長。そいつは俺に言った。
「学校に行かないのはいいが、ならば働け。それが嫌なら学校へ行け」
金が稼げる。そしたら、美味い物が食える。この提案に、乗らない理由は無かった。
ここから、中学生のアルバイトが始まる。
給料は、盗まれた。
当時の俺は、給料の仕組みを理解していなかった。親の口座に振り込まれ、親が当たり前のように引き落とす。
俺が「給料は?」というと、「そんなもんはもう使ったよ」
アルバイトへも、行かなくなった。
高校中退
高校。親は、もちろん金を用意していなかった。払う気すらないと言った。しかし、亡くなった父の遺産が学費分残っており、そこから出す手筈になった。母親が言い出したのか、おばあちゃんが言ったのかは知らない。その会話を盗み聞きしてただけ。
しかし、身内がその遺産をせびり、何を思ったか、金を渡したのだ。
意味がわからなかった。やっぱり俺は愛されていない。再確認した。
俺は、離れた高校に行けば地元の奴らとは合わなくて済むし、学ぶ事は嫌いじゃないから、ここでやり直したかった。アルバイトをし、その給料で通う事にした。
話し相手が出来た。陰キャの俺に、陽キャの人達が親しくしてくれて、楽しかった。
数ヶ月して、担任から呼び出される。学費を早く払え、と。滞納してるつもりはなかった。おかしいと思い母親に問い詰めると、俺の給料を勝手に使い込んでいたようだ。どうりで、見たことない衣類で溢れかえってると思った。
悪びれる様子もなく、「あんたの金で靴を買った」と言った。
俺は、高校を中退する事になった。せっかく出来た友達とも、もう会えない。
この頃から、ようやくわかった。俺は、家を出て行くべきだと。
彼女との馴れ初め
それからも、飲食業のバイトは続けた。食べ物に執着してるのは、きっと、食事がしたくてもできなかった経験からきてる。バイトしてれば、外食みたいな飯が食える。
幸せだった。楽しかった。仕事も頑張れた。でも、それを快く思わない人もいた。
スーパーバイザーが「社員にしてやる」と言ってくれた。そしたら、俺はお局に嫌われた。虐められた。わざと誤った指示をして、従って行動している所を副店長に告げ口され、俺が間違った事をしている、という扱いを受けた。俺の信用は落ちた。
なんか、どこまでいっても、俺は上手くいかないんだと感じはじめた。当時15歳。初めての、自殺未遂をした。仕事帰りに、車の前へ飛び出したのだ。
その時に、神秘体験をした。別の記事で書いたから大体は省くが、神様を見た。無神論者だったけど、俺はその日から神を信じた。
それから3年後、神社で働ける事になった。師匠を持ち、和食や対人関係を学んだ。
修行を終了する時、「お前は彼女を作れ」と言ってきた。「無理だ」と返す俺に、「お前なら出来る」と言ってくれた。根拠の無い発言だけど、なぜか勇気をもらった。
能力の幅を広げる為に、ビュッフェへ就職。ここで彼女を作ろうと、心理学の勉強をした。
この会社は都合が良い事に、転勤させてくれた。実家から出たかった俺にとっては救いだ。
一人暮らしを満喫。職場は年上が多いので話しやすい。そこで、1人の女性に一目惚れをした。当時は既婚者。それが、のちの婚約者になる。その日の夜、彼女と情事をする夢を見た。
姉御肌で頼りがいのある人だと感じていたけど、俺と2人で話している時、涙を流した事があった。母親が亡くなった話だった。聞けば、彼女には普段の様子から想像もしえない、弱い心があった。
彼女のアンビバレンスに心打たれた。その姿を見て、俺は彼女を抱きしめてしまった。俺が守ってあげたい。そばにいてほしい。そう感じたのだと思う。
彼女もまた、俺の思いがけない行動に、恋したらしい。所謂ギャップ萌え。
双方が同じような理由で、お互いに惹かれていった。「運命の恋だ」と、照れくさそうに言い合う。俺が童貞を捨てたのは、不倫関係だった。
彼女は、何年も愛を感じていなかった。俺は、愛を知らなかった。そういった者同士、自然と深い所まで行く。
彼女は、子供と夫を捨て、俺の所へ来た。俺は身内から逃げ、彼女を受け入れた。お互いに、縛られている物があった。それから解き放たれると、野獣の様に愛しあえた。幸せだった。
コロナで会社が倒産した頃、彼女が妊娠した。色々話し合った上で、中絶を選んだ。東京での出来事だった。
そして、今年の2月。彼女は出て行った。俺との生活に耐えきれなくなった。マンネリが来ていた。俺が、彼女を大切に出来なかった。
ここで、人生何度目かの自殺未遂。
俺にとって、彼女の存在が、生きる活力になっていた。愛を感じたいし、与えたい。でも、上手くいかなかった。彼女の居ない生活は、俺にとって苦痛でしかないというのに…。
メールでやりとりするが、頑なに別れたいみたいなので、もう無理だと感じた。風呂にお湯溜めて、手首を切ろうと思った。
アパートに警察が来た。別れたら死ぬってわかってただろうし、かつ、俺がそれを匂わせる事を言ったから。通報してくれたおかげで、今の俺があるけどね…。
距離置いてからの時間は、感謝と反省の期間だった。希死念慮に苛まれ、涙を流しつつ、歯を食いしばって生きた。
こんなんだけど、彼女はいつか戻ってきてくれるって、俺は希望を見出していた。
待ってて良かった。ついに、明日、会える。
明日は誕生日。22歳、最後の言葉として、この記事を書かせてもらった。
俺の人生は、自分で言うのもなんだけど、そんじょそこらの22歳とは違う生き様のはずだ。
これが俺の人生だよ。俺は、こんなんだけど生きてんだ。
彼女がいなければ生きていけない。愛こそ幸せであると思うし、彼女に出逢うまでの苦難は、この日の為にあったのだろうと感じる。
来月で、付き合って1年。来年まで一緒にいれたら、結婚する予定だ。
今や、俺には、夢や希望がある。闇に包まれた人生に、光が差し込んだのだ。俺はそこに向かって走り続ける。無理なら歩いてでも、例え這いつくばってでも、俺は前へ進む。
生きてやる。もう自殺未遂なんてしたくねえんだ。生きて、幸せを掴んでやる。
愛する彼女と共に生きる。最初で最後の、最愛だから。