愚行権の行使

忘れよう、朽ちよう。

「つかみどころがない」と言われた

お題「今日の出来事」

 

 時に思う。どれが、本当の自分なのか?

 

 女性の前で無理に明るく振る舞い、笑顔を絶やさないよう意識し、相手の趣味に合わせてみたりもする。男の前じゃクールでいたくて、仕事熱心に取り組み、先輩よりも出世しようとする。

 

 どれも、俺ではない。本当の俺はこんなんじゃない。そういった想いが、どこかで強く叫んでいる。

 

 過去に書いただろうか。蕎麦の修業をしていた頃、師匠から「お前には中身が無い」と再三言われてきた。当時は叱られている意味が理解できなかったけれど、今になってみると解かってくる。

 

 環境を変えたおかげで、過去の自分を客観視するようになった。

 

 手打ちの勉強をしていたのも、蕎麦が大好きな訳じゃなく、ただかっこつけたかっただけなんだ。

 

 

 俺は周りと違う。幼い頃から、そういった想念があった。心で根を生やしたそれは、子供の時はツラかったけれど、いつからか同調する事を諦め、開き直るようになった。

 

 だから、蕎麦職人になろうとしたに過ぎない。

 

 

 自分を作ろうとしてきた。「こうありたい」を築き上げて。でも、師匠はそこまで見透かしていたんだろう。だからこそ、「中身が無い」と言った。

 

 俺は一体、誰なんだろうか。

 

 

 ガキの頃から成長していない。精神が未熟なまま。

 

 本当は人前で笑うタイプじゃないし、仕事大好き人間でもない。お喋りな性分でもなければ、相手を慮る聖人君子でもない。

 

 人が怖い。家で、一人で、動物と喋っているのが一番、落ち着くんだ。口下手で、陰気くさくて、無愛想な、そういった陰キャが俺であるはずなのに、なんで人前で取り繕っているんだろう。

 

 

 「たまに『裏表がある』って言う奴がいるけど、その裏表どちらもその人なんだよ」

 

 師匠は言った。俺の中にいる色んな俺も、どれも、俺自身なのかもしれない。こういったところを含めて、一個人として。

 

 

 嫌われたくない。だから素の自分でいるのが怖い。そう考えていると、こうするしかなかったんだ。

 

 笑っていたい。面白いものが大好きだ。それは自分が心の底から思っていること。だから、今日も違う自分がいて、自分を曝け出していく。虚構の幸福を享受してでも、楽しく日々を過ごしていたいから。

 

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