それでは、今日の授業を始めてまいりたいと思います
そもそもブラックホールとは何なのか?
2019年4月10日、世界中の望遠鏡を用いてブラックホールの事象の地平面の輪郭「ブラックホール・シャドウ」を撮影することを目指した国際研究チーム「イベントホライズンテレスコープ」が、人類初となるブラックホールの直接撮影に成功したと発表した。撮影に成功したのは楕円銀河M87の中心部にある巨大ブラックホールであった*1
元は理論上の存在に過ぎなかったブラックホールですが、その後の研究、調査によって実在する事が判明しました。
今回は、そんなブラックホールに人が吸い込まれたらどうなるのか?に触れていきたいと思います。
ブラックホールに吸収されるシュミレーション映像
ブラックホール情報パラドックス
ブラックホールが暗黒の球体として描かれるのは、光すら脱出できない為です。重力が無限大の為、近付いたものは全て素粒子まで分解されます。
なので、人がそこへ入ればどれほど残酷なものになるかは容易に想像できます。
という事は、ブラックホールの内部がどうなっているか調査員が向かってもその報告しに地球へ戻る事なんて出来ないんですよね。だから科学者達は堅苦しい理屈を述べる事でしかブラックホールを語ることが出来ないんです。
この段落では、その理屈について触れてみましょう。
ブラックホールは吸収した物を全て同一の性質に変化させます。いわゆる『情報の破壊』です。
ここでいう『情報』とは粒子の並び方の状態です。例えば人類はみな同じく骨や肉、内臓などを持っていますが、誰一人として同一の存在ではありません。そういう異なった違いが『情報』です。
この情報について、量子力学の科学者達は「情報は不滅である」と常識的に知っています。例え水が蒸発したとしても、原子を集めて正確に測定すれば再現可能。理論上、宇宙の始まりですら再現が出来るというのです。
しかし、ブラックホールは何ぞやという研究結果とは相反する訳です。
ブラックホールは情報を壊してしまいます。という事は科学の定説、物理法則の根本を覆しています。
ということは・・・?
可能性その1:情報は完全に失われる
科学は間違っていた。ブラックホールこそ真理だったいう事になります。今まで信仰していた科学が誤りだとなれば人々はどうなっちゃうんでしょうか?
可能性その2:情報は隠蔽されている
破壊されたと思っていた宇宙はブラックホールを通じて、新たな宇宙へ転送されているのかもしれません。このような理屈をベビーユニバース理論と言い、日本では「赤ちゃん宇宙」などと呼称されます。マジですよ。
ブラックホールに吸収された人は我々が観測できない宇宙へ移るんです。ちょっと中2心をくすぐりますね。
可能性その3:情報はちゃんと記録されている
紙の本と電子書籍は媒体が違います。ですが内容は同じですよね。それと同じく形が変わるだけで情報そのものは存在するのでは、という理屈です。
この理論はホログラフィック原理と呼ばれています。詳しくは引用をお読みください。
この理論は、全宇宙は宇宙の地平面上に「描かれた」2次元の情報構造と見なすことができ、我々が観測する3次元は巨視的スケールおよび低エネルギー領域での有効な記述にすぎないことを示唆する。*2
噛み砕いて言えば、『この世界はホログラムである』という考え方です。つまり、そもそもブラックホールは存在しなかった、もっと言えば宇宙自体も実在ではないのかもしれないと言えます。
*1:ウィキペディアの執筆者,2019,「ブラックホール」『ウィキペディア日本語版』,(2019年6月1日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB&oldid=72952508).
*2:ウィキペディアの執筆者,2018,「ホログラフィック原理」『ウィキペディア日本語版』,(2018年10月28日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E5%8E%9F%E7%90%86&oldid=70432710).