塩を摂りすぎると生活習慣病を引き起こし、最悪の場合は塩を招く事になるのは知っている方も多いと思います。ですが、『減塩』という言葉が広まっていくにつれ、塩そのものが邪悪な物かのように捉えている方もいっしゃるのではないでしょうか?
しかし、事実は違います。塩とは生活に欠かせないものであり、不足したらしたで重大な病にかかる場合もあるのです。
例えば俺のおばあちゃんの場合、『塩とは体に悪いものだ』という固定観念、思い込みに囚われて、極力塩分を取らない生活を続けていました。
すると、言葉が出にくくなったり倦怠感などから体を動かしにくくなるなど生活に支障をきたし、病院へ運ばれる事になりました。
原因は、減塩でした。処方されたのは薬の他に、ただの塩。医者はこう言いました。
「毎日これだけの塩を必ず摂取してください。『減塩』が広まっていく中で『塩を摂るのは悪い事だ』と思っている人がいますが、塩を摂り続けていかないと重度の病を引き起こす場合もあります。人にとって塩は欠かせないものであり、摂取しすぎても脳卒中や高血圧になりますが、摂らない事でも病気を招く場合があります。適度に、適切な量を摂取していきましょう」
この言葉は、下記の引用が参考になると思います。
2003年、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)による『食事、栄養と生活習慣病の予防[20]』(Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases) では、1日当たりの塩分摂取量を5g以下(ナトリウム2g以下)にとどめるよう勧めている。
2005年(平成17年)版の『日本人の食事摂取基準』では、1日の塩分摂取量を男性成人で10g以下、女性成人で8g以下を推奨し、同時に高血圧を予防するために、過剰なナトリウムを排出する作用のあるカリウムの摂取基準も定めている。カリウムは野菜や果物に多く含まれる。*2
おばあちゃんが医者から処方された塩の量、具体的な数字は忘れてしまいましたが、一般的な摂取量よりは多量であったと記憶しています。なぜそれほど沢山の塩を摂るように言われたのか、それについては下記の引用が解かりやすいです。
現在では、塩分の過剰摂取を恐れるあまり塩分を控える人が多くなったため、極端な塩分の制限により塩分の不足が起きることがある。大量の発汗で水分とともに塩分が流れ出てしまった場合など、昏睡状態となって病院に運ばれる者や死亡する者も出ている。命を取り留めても、慢性的に塩分が不足していた場合、血中のイオン濃度を低いレベルで一定範囲に保とうとするように体が変化してしまっているため、一般的な塩分の補給量ではすぐに塩分が排出されてしまう。このため長期間にわたって塩分を大量摂取する治療を行わなければならなくなる。
また、上記ほどの塩分の不足でなくても、炎天下の運動の際等、汗をかいた際には水分だけでなく塩分も排出されるが、それにも拘らず水分だけを補給すると血中のイオン濃度が低くなる。体は血中のイオン濃度を一定範囲に保とうとさらに汗をかいたり排尿しようとしたりするため、さらに水分不足となり熱中症や痙攣を引き起こす場合もある。*4
夏場は塩飴を舐める人がいたり、ワイドショーや天気予報の中でも、「塩分の摂取を欠かさず、熱中症対策を怠らないようにしましょう」などと言います。ですがよくよく考えると矛盾を感じる話で、『減塩!』という情報を発信しているのはマスメディア側のはず。「摂るべき」と言ったり「摂らない方が良い」と言ったり、軸がブレていますよね。
ここで俺が言いたいのは、情報をただただ受け取るだけじゃなくて、自分で少なからず調べる必要があるんだなあ、という事。おばあちゃんが病に罹った事を機に、それを感じました。なのでこの出来事を誰かと共有したいと思い、記事にさせてもらいました。
塩の過剰摂取も摂取不足も体に悪いです。極端な論調に惑わされず、双方の理屈を加味した上で、自分の意見を持つべきでしょう。
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*2:ウィキペディアの執筆者,2019,「塩」『ウィキペディア日本語版』,(2019年8月1日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%A1%A9&oldid=73682705).
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