銃声を轟かせる不屈者に飽き飽きし、月のしずくへと変身する。唾棄と娼嫉は貝を貫通しない。厭悪で形成された過去すら外側に置いて。
誇大妄想への倦怠から遅効性のガスを観取する。そこに宝石は無い。感嘆符への退屈が暗号の多様へと変貌する。
メメント・モリから生誕した風狂は、拵えた月の裏側へ移り住み、内なる神からの祝福をかぎだす。知己は他者へ感謝すべしと連呼するが、反旗は盾の如く。
パンタ・レイの中で、自尽。既に遺物と化したそれは、積極的な虚無主義を歓迎し、アートマンが褒辞をくれた。
内側では倚信より鬼胎が大きくなっている。外側からの威信はなく期待もない。貼られた紙札によれば、傍若無人が生き様の節と評論家。
寂寞たる厭世観。堕落したそれから這い上がる為、他者への期待を喪失した。
余生は惰性ではなく、娯楽だと結は言う。
『我田引水』