昨日の記事を書き終わった頃に、彼女が妊娠検査薬を使った。
妊娠してた。これで二度目の経験になる。一度目は中絶したので、もしかしたらもう子供は出来ないとすら思った。彼女は今年、40歳になる。年齢的にも子供は出来にくい。でも、この二年で二回も妊娠出来た訳だ。喜ばしい話である。
そうは言いつつも裏腹に、現実が俺を押し潰そうとする。ちゃんと親になれるのか。彼女を幸せに出来るのか。家族が乗った舟を漕いで、進んで行けるのか。
家に居ても悪い事しか考えなさそうなので、デートに行った。
美術館。人生で初めて、こういう所へ行った。油絵の画家で、離れてから見ると色彩の美しさを感じるものだった。
生涯をかけて、花を描き続けたらしい。花は確かに美しい。自然の芸術だ。
こういう絵を見ていると、心が洗われる。素敵なデートだ。
それからペットショップで暇を潰した後、電話会社にスマホを買いに行き、現在に至る。
ふと考える。俺は、何を恐れているのだろう?
きっと、彼女の愛情が子供へ向くのが恐いのだと思う。感情的で怒りやすくなってる妊婦は、彼女の変わってしまった姿なんだ。これからも彼女が愛し続けてくれるのか不安になるし、子供の為に働いていかなきゃならなくなる現実。
二人が一緒に居るのは、子供の為だけになる気がして怖い。愛の形が変わってしまう。彼氏彼女が夫婦になる。悪い事ではない。それはそれで幸せなのだろう。でも、その家庭を保ち続けられるのだろうか?
保証なんてない。誰も俺を助けてくれない。俺は俺の力でやるしかない。
今回は中絶しないで、ちゃんと育てていくつもりだ。
子供は授かった。神様から託された命を、俺は大切にしていきたい。