刺激中毒

今日が命日でもいいように、過去を悔やまず、未来を恐れず、現在を生きる。

「cube 一度入ったら、最後」のネタバレあり感想

CUBEキューブ Blu-ray

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原作自体が俺の好みと合わない。前作見た上で「面白くない」という感想を持ったが、設定やスリラー映画自体は好きなので、暇潰しに観賞。
面白かった。視聴後にちょっと考えてしまうくらいには。

CUBEという立方体は社会のメタファー。周囲の人間を批判するばかりで努力をしない、卑怯な手も辞さない老害。他人への文句は一人前で成長しようとしない、人生を諦めた若者。「大人はズルいから嫌い」という子供。協調性のない、自己中心的な大人。罪を抱えて生きる青年。それと、謎の女。

現代日本の暗喩なので、老害と若者は象徴的に描かれる。二人より先に大人が死ぬのは、社会を保とうとしていないから当たり前。若者は老害世代が作り出した環境によって苦労しているので、若者によって殺される。先に死んだのは納得。トラップ部屋に突き落とすのかと思ったら、扉を何度も閉めて殺すので、目新しくて良かった。

若者は、自殺願望を仄めかしていたので、死を選ぶのかと思った。だが、周りのせいにし続けてきた若者は、「死ぬべきは俺じゃなくて周り」という結論に達して、他の皆をわざとトラップ部屋に誘導する。

「大人ってのはズルいんだよ」

その台詞は、自分自身も老害となり、次の世代に狂った日本を受け継ぐ事を表していた。彼は、自ら誘導したトラップに狙われて死んだ。

青年は、子供を救う為に自分がトラップを食らってしまう。

子供は自分で導きだした道を進み、出口へ。

「信じる」

自分自身が変わらないことには、先に進まない。「目には目を」では、全人類、盲目になるだけだ。

今までどうだったかではなく、これから先、いかに生きるか。

最後の台詞。謎の女は言う。

「あなたは、何者ですか?」

その言葉は、観客に向けて言っているように思えた。どのキャラクターに当てはまるのか、と。

他者の人生に脇役として出演していないか。他人の意見ではなく、自分の意思で生きられているか。そう考え直させる映画だった。

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