刺激中毒

今日が命日でもいいように、過去を悔やまず、未来を恐れず、現在を生きる。

彼女は妖艶に「愛してるよ」と呟いて

f:id:juliajewelkali:20210515182058j:image

 

 ポストに放り込まれた、宅配ピザのチラシ。食欲をそそる写真に引き込まれるけど、それを注文する金銭的な余裕はない。

 

 昼間、賄いで自作する。ピザを一切れ、手に取る前に、「彼女にも食べさせてあげたい」と、内心。

 

 

 ふとした時に、自分のブログを読み返す。去年はよく、宅配ピザを頼んでいた。

 

 またあの頃のように、2人で笑い合いながらピザを食せる日が来るだろうか。待ち焦がれてしまう自分に、「その未来を、己で掴みに行くんだ」と叱咤する。

 

 

 体をボロボロにしながらさ、それでも毎日働いてる彼女は疲れてんだろうに、家のドアを開ければ、微笑みながら「ただいま」って言うの。

 

 そして、2人はキスをする。

 

 

 毎日必ず「疲れた」って言うくせに、シングルベッドの上では、妖艶な笑顔を魅せながら、俺を抱きしめてくれる。

 

 なんで?

 

 どうして俺を愛してくれるの。しんどく苦しい想いをさせてしまってんのに。

 

 

 俺は幸せだよ。命に嫌われたとしても、この美女が幸せに生きてくれるなら、それで良い。俺にとって、世界で1番お姫様。

 

 

 想起する。彼女は言った。「別れたら幸せに暮らしていけるの?」

 

 ああ、死んじゃう。

 

 

 彼女と出逢ってから、俺は死にたいと思わなくなった。渇ききってる俺に、愛を注いでくれた。でも反対に、彼女にとってに特別な、無くてはならない存在になれてるかな。

 

 って、弱気な事言ってちゃ男らしくねえわ。

 

 俺が彼女に幸せと安心を齎してみせるよ。これからも。一緒になって良かったと思い続けてほしいから、結婚して、愛で溢れた家庭を築こうよ。

 

 死ぬんじゃねえぞ。お互いにな。

 

 

 明日は、カツサンドを作って持って帰ろう。カラシ抜きで。

 

遺書は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。