令和3年3月3日。どうでもいいけど、ゾロ目だなって思った。
5日後には誕生日で、記念だし、どうせなら恋人と過ごしたい。ただ今こういう、コロナ禍にいる中で、「コロナだから会えない」と彼女に言われてしまった。
前まで同棲していた彼女は、今、身内の家に居る。「誕生日はデートしよう」という話で進んでいたけど、「身内に行くなと言われた」と告げられる。
コロナのせいで…。この悔しさは、ぶつける相手がいない。このウイルスのせいで会社が倒産して給料未払いになるなど、かなり苦しめられた1年だった。
彼女の子供は、元旦那が親権を握っている。面会も定期的に行われる予定だったが、それはコロナによって出来なくなっている。
もしコロナとかなくて、普通に面会出来ていたとしたら…。
もしかしたら、マンネリが来た時に、彼女は子供の所へ行ってしまったかもしれない。そしたら俺の所に戻ってこない。俺と結婚なんてしないだろう。
新型ウイルスに振り回された昨今。リモートワークや電子マネーが広まるなど、社会が成長したと思える事柄もある。
コロナによる利点は、少なからずあったのだろうか。俺みたいな飲食業・サービス業の人間は大打撃を受けたけど、マスクやアクリル板を制作していた方々は、利益が向上したんじゃないかと思う。
俺の人生も、コロナによって迷惑受けたけど、助けられた一面もある。
メメントモリ。死ぬ事を忘れるなって意味だ。
人はいつ死ぬかわからない。今日が自分の命日かもしれない。だからこそ、後悔のないよう日々を生きていきたいものだし、愛する人に、もっと愛情を伝えていきたいのだ。なのに俺は、同棲していた彼女を追い出してしまった。
「大切にされていない」
そう感じさせたからこそ、彼女は抵抗する事なく、大人しく出て行った。1週間以上経ってようやく連絡が取れるようになり、復縁出来る事になった。しかし、会えるのは今月末になる。
どうしても早く会いたいけど、冒頭で述べた通り、コロナのせいでデートも出来ない。
いや、コロナは言い訳だ。今、彼女に会えないのは、俺が撒いた種である。俺が彼女をもっと大事に大切にしていれば、ラブラブな関係が続いて、普通に生活を送れていただろう。
彼女が距離を置いてくれた時間を、反省と感謝の期間と捉えている。何かしら学ぶものがあったのは確かで、それをこれから先、いかに活かすかに重点が置かれる。
つまり、カルペディエムだ。