チャオ!
仁と同じパーカー持ってます!こと
ビッグボーイですううう!!!!!
仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判
今更ながら視聴を終えました。
アマゾン畜産計画を巡る水澤悠と鷹山仁の物語。ネオアルファに変身する御堂の登場により三つ巴になる話かと思いきや、3人が変身して戦い合う場面はありませんでした。
仁は計画の為に拘束され、その血を利用されていました。科学者御堂がアマゾンを家畜化している黒幕であり、『アマゾンを狩る』という信念を持つ仁にとっては皮肉な話です。なんせ、自分の存在がアマゾンの増殖に繋がっているのですから。
悠と施設に囚われていたムクにより手錠を外されるのですが、またアマゾンを狩りに行こうとする仁に悠は激怒し、廊下で血眼になりながら殴り合いを超えた喧嘩をはじめてしまいました。
変身もせず動物の如き叫び声を轟かせながら血を飛び散らせている姿は、生々しく正義のぶつかり合いを描いていました。
そして仁は悠を倒し、御堂の元へ向かいます。血飛沫を散らしながら戦いを続けますが、御堂は「俺を殺せない」という趣旨を話します。
確かに御堂は今回の黒幕ですが、彼はマッドサイエンティストなだけで一人の人間です。『人を守り、アマゾンを狩る』という行動理念に従って動いている仁に御堂を殺せる訳がないのです。
ネオアルファは仁の正義観を解った上でアマゾンを家畜化しています。『自分は絶対に殺されない』とわかっているから。
もし殺さなければアマゾンは繁殖し続ける。殺せば自分は一線を越える。
正義と不義の矛盾を描いているこの場面は何とも言えない感情が沸き起こります。仁の拳は、ネオアルファの腹を貫いたからです。
『自分が作成してしまったアマゾンを自らの手で殲滅する』という贖罪こそ行動理念だった。その為にはネオアルファを殺さなければならない。自分の信念を破らない限り、『人を守る』という部分を達成できないからだ。
その頃、悠も自己矛盾に陥っていた。御堂の洗脳により養分になる事を善き事であると思わされているムクは、現実を受け入れる判断をとりました。そして、悠に食べられる事を選んだのです。
死は恐怖などではなく、誰かに食べられる事により、その人の一部と化して生き続ける事が出来る、と。
ついに悠と仁は対峙します。
共食いをしてしまった悠、殺人を犯してしまった仁。どちらも一線を越えてしまった者同士です。
決着をつけ、どちらか1人になるまで戦い続けなければならない。そう仁に言われた悠は、仁を殺しました。
自分の過ちを背負い、その贖罪の為だけに生きてきた仁。そこにまた人殺しという過去が増え、もう誰にも止められなくなった状態。いや、悠になら自分を止められるはずだと、わざと負けたかのように思えました。
戦い後、悠は入水自殺を試みます。しかし、思いとどまって元いた施設へ。
そこでは家畜としてではなく動物として生きる事を選んだアマゾン達の姿がありました。その様子を遠くから見ていた悠はどこかへ去って行き、エンドロール。
『仮面ライダー』であるということ
一線を越えた事で死を選んだ仁。それでも生き続ける事にした悠。相対的な2人、どちらに正義を見出すでしょうか?
仁はアンチヒーローの如き言動で人々を守っていますが、悠の場合は「自分が守りたい者を守る」という自己中心的な価値観を信念としています。
アマゾンズの作中では一度も「仮面ライダー」という名が出てきません。クウガやアギトがそうだったように、その単語を使わなくとも「仮面ライダーとは何ぞや」というのを描けるのです。
仁も悠も自らの悪と向き合い、克服し、そして戦ってきました。
仮面ライダーとは正義のヒーローじゃなく、あくまで『正義の味方』である事が重要です。人の為、仲間の為を想って自らを悪人にする。毒を毒で制する。
そのような生き様こそ、仮面ライダーと言えるでしょう。
でも、仁は自分の邪悪に耐えられなくなって悠に殺される末路を辿りました。逆に悠は自分の過去を乗り越えて前に進む事を選んだのです。
仮面ライダーアマゾンズは終わった
アマゾンと人間は共存する道を選び、これで幸せな結末に思えるかもしれません。ですが、会長がそのままだったり橘が大した罰を受けていない事を想うと、また何かしらの出来事が起こりそうなまま。
最後と名の付いている映画でしたが、続編を作ろうと思えば作れるような物語になっているのが不完全燃焼でした。仁と悠は決着つきましたが、黒幕2人を放置して終わるのはいかがなものでしょうか。
正直言うと拍手を送れるような映画ではなかったと思います。
アマゾン畜産化計画が練られた理由だって、「肉が不足している」という社会的背景によるもので、だからアマゾンを家畜にする事で補おうという話でしたが、「なんで肉が不足しているの?」という部分は一切まったく描かれないまま。
ドラマ版でもう少し伏線ちりばめていたらこのような展開も理解できるのですが、この映画の冒頭で突然そのような設定を明かされたって納得できません。
どちらかというとアマゾンズは現実味のある物語になっていますが、その部分だけ安易なのが残念でした。『アマゾンを家畜にする』という話をやりたいが為に無理矢理そういう設定にしたように思えます
それをやるならやるで、もう少し設定を練ってほしかったと思いました。
御堂が仁を拘束していた経緯だってちゃんと描かれていません。暴力的な仁をどうやって監禁したのかを描かず、疑問点を残したまま話が進んでいって残念でした。
う~ん・・・
なんやかんや惜しい点はありましたが、悠と仁の決着だけはものすごく面白かった。そこに至るまでの背景、設定さえもう少し濃密になっていれば「これぞまさに仮面ライダーだ!」って言いたかったのに。
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