ついに来た。俺の手に届いた。発売日の数日後にオモチャ屋へ行ったが俺の住んでいる田んぼばっかの田舎には辿り着くのが遅いみたいだ。そこにないんだ。なぜだ。悔しい。俺が持っているべき変身アイテムがなぜ売ってないんだ。俺は第1話からずっとゲイツファンだから打倒オーマジオウの為に変身するしかないのに。なぜ、なぜ売ってないんだ。下唇を血が出るほどに噛み、いつかはジオウを倒すんだと思いながら帰った。
そして今日。あ、これが公開される頃には過去なんだけどそれは良い。いつかと言うと下記の出来事が起こる直前の話ね。俺、仕事帰りに仮面ライダーのオモチャ買いに行ったのよ。21歳にもなって。
まあいい。今、俺の手にリバイブウォッチがある。ジオウを倒すんだという強い決意の表れだ。田舎にも仮面ライダーが現れたんだ。この街をオーマジオウから救うのはこの俺だ。この街に幸せをもたらすのは、人々を笑顔にするのはこの俺だ。祝え、新たな王の誕生を!
あ、これ黒ウォズの奴じゃん。俺は救世主だ。俺を崇め奉れ。未来の創造者が俺の元に現れんかい。俺はこれから耳や鼻から血を流し、目からは赤い涙を垂れ流すようになる。そして言うんだ。ソウゴは俺の友達だって。オーマジオウになんてさせないんだって。友情。泣けるでぇ。素敵やん。
ていうか、白ウォズがゲイツを救世主になること諦めてスウォルツの仲間になってんじゃん。どないなっとんねん。ジオウ面白すぎるやろ。伏線だけじゃ読み取れない展開が多過ぎる。すごいね今作。神。マジ神。マジ卍。言いたいだけ。
あ、そうだ。仮面ライダーのオモチャを神棚に飾って毎日拝もうかな。こんな事してたら先輩に怒られそう。俺、神社で働いてるからさ。森羅万象すべて神なのよね。ジオウ、いやゲイツこそ神なんだよね。マジ面白い。ディケイドみたいな薄っぺらい作品じゃなくて濃密な脚本になってるのマジ拍手。スタンディングなんちゃら。英語でてこない。あ、そういえばさ、ベトナムかタイかそこらへんの人だと思うんだけど、俺が英語しゃべれないからカタコトの日本語で話しかけてくれたの。で、スマホの写真みせようとスクロールしてたんだけど、その時だけ「ちょっと待ってや~」ってなぜか関西弁なの。どこで覚えたんや。